コロナ禍で、「食事や体」が変わっていませんか?

2022/06/01 コラム

コロナ禍で、「食事や体」が変わっていませんか?

ヒトは、食物を摂取するという生物学的な行為を、ともに食事の席を囲むことで、栄養素を取り入れるだけでなく、社会化して平和な関係や絆を作る場にしてきた。食事を共にすることは、ヒトにとっての文化の一つのようである。

 

しかし、2019年末からのコロナ禍の中で、感染症の拡大をできるだけ防ぐ観点から、食事の場等に多くの人々が集うことや会話などが、望ましくないこととして扱われるようになった。

これ迄のコミュニケーションが絶たれ、動いて集まって対話する自由が脅かされていることは、重大な問題であろう。

 

 

そのような中で、食事の摂り方や身体の状態にも、変化が生じてきているようだ。

一人で食事を摂る機会が増え、食欲低下~食思不振、ひいては十分な栄養が取れなくなる事の心身への影響が考えられる。

高齢者であれば、地域での食事会や趣味の集いなどもほとんどなくなり、出かける機会も減り、サルコペニア~フレイルと、身体活動低下から社会活動低下・心の状態の悪化へと進みうる。

 

自宅での飲酒機会の増加から、十分なエネルギー摂取ができない状態も起こり得る。

今、いわゆる食欲不振症が増えていることが、新聞紙上で報道されていた。

この疾患は、若年女性に多いが、コロナ禍での働き方の変化が大きいのは非正規雇用者であり、ひいては女性が影響を受けている可能性も考えられる。

 

 

一方で、在宅で食べ物が近くにあると、おやつを食べすぎるなど、エネルギー過多となり、体重増加~肥満に陥る可能性もある。

肥満を契機に、生活習慣病の発症や悪化も起こり得る。

学童では、休校の影響で、給食がないための栄養の偏りや不足、在宅に伴うおやつの増加などが想定される。

実際に、学校保健統計調査(2020年度)では、肥満傾向の子供の割合が増加し、やせすぎの子供も増えている。

 

コロナ禍の中で、これまでと同じように集い対話する食事形態は望めないが、それぞれの年代に応じ工夫することが必要であろう。

高齢者では、副食としてたんぱく質をバランスよく摂取し、やせすぎないよう、太らないように心がける。

中年者では、肥満を避けるため、エネルギー過多を避ける。

学童では、おやつでのカロリー過多を避け、主食と副食も偏りがないように心がけることが大切であろう。

 

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