2022/04/01 コラム
栄養教諭のおしごと
わが国においては、食育に関する施策を推進するため平成17(2005)年に施行された「食育基本法」に基づき「食育推進基本計画」を策定し、各種の施策を推進しています。
学校においても、児童生徒が食に関する知識を習得するとともに適切な判断力を養い、主体的に自他の健康な食生活を実現できるようになることなどをめざし、食育の推進に取り組んでいます。
栄養教諭は、児童生徒の栄養の指導や管理をつかさどる職として、平成17年度に創設されました。栄養教諭が中心となり、学校給食を生きた教材として有効に活用することで、学校における食育を充実していくことが期待されています。
栄養教諭は、教育に関する資質と栄養に関する専門性を生かして、「食に関する指導」と「学校給食の管理」を一体のものとして行います。
その際に、教職員間および家庭や地域との連携・調整の要としての役割を果たすことが求められています。
とくに「食に関する指導」は、各教科等を通しての指導や、給食の時間での指導、個別的に健康課題を抱える児童生徒に対する指導など、学校教育活動全体を通して行われます。
このような役割をはたす「栄養教諭」の免許状を取得する方法は、例えば、大学卒業程度の一種免許状では、学士の学位および管理栄養士または管理栄養士養成課程修了を基礎資格として、文部科学大臣の認定を受けた大学の課程または文部科学大臣の指定する教員養成機関で、「大学において修得することを必要とする栄養に係る教育及び教職に関する科目の最低単位数」22単位を修得することにより授与されます。
全国の公立小、中学校等への栄養教諭の配置は、各都道府県教育委員会が、地域の状況を踏まえつつ行っています。
令和2(2020)年5月1日現在で、全都道府県において6652 人が配置されており、配置数は年々増加しています。
北海道、愛知県、大阪府、福岡県の配置数は比較的多いですが、地域による格差も見られ、より一層の配置促進が必要と考えられます。
【参考資料】
・文部科学省:「日本の学校給食と食育」リーフレット
https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/mext_00827.html (2021年9月29日アクセス)
・文部科学省:栄養教諭の配置状況(令和2年5月1日現在)
https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/08040314.htm (2021年9月29日アクセス)
・金田雅代:四訂栄養教諭論―理論と実際―、建帛社、7-8頁(2019)