2019/02/01 コラム
食品成分表のはなし
「成分表」と呼ばれて親しまれているデータの正式名称は、日本食品標準成分表です。現在は2015年版(七訂)が用いられています(*)。この成分表は、約70年前の昭和25年に初めて公表されました。公表された目的は、私たち食べ手側が日常摂取する食品成分に関する基礎データを利用できるようにするためです。初めの公表時は538食品数でしたが、現在は2236食品数が掲載されています。
それぞれの食品の成分値は分析や文献などを基に定められ、1食品1標準成分値を原則とし、可食部100g当たりで示されています。成分表が公表された当初は「生」、「乾」など未調理食品が中心でしたが、次第に「ゆで」、「焼き」などの基本的な調理食品や、刺身、天ぷらなどの和食の伝統的な料理も収載されるようになりました。また、加工食品についても原材料の配合割合、加工方法により成分値に幅がみられますので、可能な限り標準的な食品を選んで収載されています。さらに現代の食生活では、外食や中食の割合が増加していますので、一般的なそう菜の標準値が活用できるようになりました。
このように食べ手側が料理の栄養価を知ることができるようにされており、近年では5年おきに改訂をするように検討がされています。また、食べ手側の便宜を考え、食品の成分に関する情報を速やかに公表するようにしています。成分表を開くと多くの数値が並んでいますが、普段購入する食品やそう菜などの成分について目安を得ることができます。備考欄にはその食品の内容や各成分値等に関連深い事柄について記載してあります。成分表を手に取ってゆっくりじっくり成分値の背景を知り、健康の維持・増進にお役立て下さい。
(*)現在(平成30年)は平成29年に公表された、日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2017年を用いています。