2023/11/01 コラム
栄養成分表示
みなさんは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで食品を買うときに「栄養成分表示」をチェックされていますか?
「栄養成分表示」とは、エネルギー、たんぱく質などの栄養素が含まれている量を食品の容器包装等に表示することです(図1参照)。
図1)栄養成分表示例
一般に販売されている加工食品では栄養成分表示の義務が食品表示法で定められており、2020年4月1日より完全施行されました。
栄養成分の分析を行うには、費用をかけて専門機関への分析を依頼し、検査結果を得られるまでに日数を要し、迅速な対応を行うことが難しいという課題があります。
また、日本食品標準成分表に基づく栄養価計算値を栄養成分表示に用いることも認められていますが、調理後の重量変化等を適切に反映させた値を算出しなければなりません。
このような社会に求められる食・栄養に関わる施策に対応した教育を行うために、福祉栄養学科では短時間で栄養成分の測定ができる「カロリーアンサー」という機器を導入し、学生教育やレシピ開発など産学連携に活かしています。
「カロリーアンサー」は調理(加工)後の栄養成分の実測値を即時に得られることから、実用性が高く、惣菜を取り扱うスーパーマーケット、洋菓子店などの企業でも使用されています。
自分自身の健康を保つことは「国民の責務」であると健康増進法第2条に定められています。
具体的には「国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。」と記されています。
自らの健康づくりのために、買い物の際は栄養成分表示を気にかけてみてはいかがでしょうか。
消費者庁ホームページで公開されている、全国の満15歳以上の日本国籍を有する一般消費者を対象とした直近の調査では、ふだんの食生活において栄養成分表示を参考にしていると回答した割合が63%でした。
一方で、ふだんの生活において栄養成分表示を確認していない理由について「確認するのが面倒」と回答した割合が39%、「栄養成分そのものに関心がないため」が29%、「表示されている栄養成分の意味が理解できないため」が17%という結果でした。
これらの調査結果から、消費者への栄養・健康への意識向上のために、社会の中で管理栄養士が必要とされていることがわかります。
インターネットが普及し、さまざまな組織のホームページや個人のSNSから発信された膨大な健康・栄養の情報へ消費者はアクセスすることができます。
これらの健康・栄養情報を取捨選択して、科学的根拠に基づいた正しい情報を発信できるのが管理栄養士です。
買い物の際は、このふっかの健康食ラボHPから得た情報を思い出して頂ければ幸いです。
【参考文献】
・消費者庁.食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン 第4版.2022.https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/business/assets/food_labeling_cms206_20220531_08.pd(アクセス日:2023/5/18)
・消費者庁.令和3年度食品表示に関する消費者意向調査報告書.2022.https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/research/2021/assets/food_labeling_cms201_220624_01.pdf(アクセス日:2023/5/18)
・https://www.j-world.co.jp/business/measure/ (アクセス日:2023/6/22)