大阪の伝統の食⑥ 雑煮

2024/01/01コラム

大阪の伝統の食⑥ 雑煮

正月の雑煮には地域により特徴がみられます。

餅の形は、東日本では手早く数多く作ることができることから角餅、西日本では「家族円満」から丸餅、香川県の高松辺りでは餡入りの餅が用いられています1)

汁の味付けは、東日本と西日本ではすまし仕立て、関西地方では白味噌、出雲地方では小豆汁が主1)とされています。

具材は、その土地で手に入るものが多く用いられている他、正月のごちそうとして山間部であるのに海産物を用いる地域もみられます1)

 

昭和30~40年頃に食べられていた次世代に伝え継ぎたい料理をまとめた書籍によると、大阪の雑煮は白味噌で焼かない丸餅、子芋(里芋)、大根、焼き豆腐が定番2)との記述があります。

大阪の雑煮の具材について、大根は大阪原産の「大阪四十日大根」があり、これは短期間で収穫できる直径4~5㎝の雑煮大根で、輪切りにして入れます2)

里芋は河南町が原産とされる「泉州さといも」が「なにわ特産品」になっています2)

 

 

昭和30年から約70年経った現在、本学科学生の家庭における雑煮を尋ねてみました。

大阪出身の学生の家庭では、昆布とかつお節のだしで、煮た丸餅、白味噌仕立てが多く、主な具材は大根、にんじん、里芋、みつばで、焼き豆腐はみられませんでしたが木綿豆腐の使用がみられました。

 

雑煮について、学生のコメントは「白味噌なので普通の味噌汁より甘いと感じながら、正月は毎年食べている」や「雑煮用の細い大根を使っていて、お正月にしか食べられない特別な料理」、「私の家では白味噌ですが、祖母の家ではすましの雑煮で毎年、新年の挨拶に行ったときに食べるのを楽しみにしています。煮干しからだしを取って珍しいかもしれませんが、スルメを刻んで入れています。良いだしが出てとても美味しいです。」などがありました。

 

特徴的だったのは奈良県と香川県でした。

 

 

奈良県出身者では丸餅、白味噌仕立ての家庭が多かったのですが、「雑煮の中に入っている餅を取り出してきな粉をかけて食べます。奈良県民はやってる人が多いと思います。」といったコメントがみられました。

 

香川県出身者では餡入り餅、白味噌仕立て、具材は大根でした。

 

関東出身者では角餅、すまし仕立てでした。

 

多くの家庭において、その土地、その家庭の雑煮が受け継がれていることがうかがえました。

 

 

【参考文献】

1)日本フードスペシャリスト協会編著,四訂 フードスペシャリスト論 第7版,建帛社,東京, pp.75-76(2021)

2)別冊「うかたま」伝え継ぐ日本の家庭料理 年取りと正月の料理,大阪府「雑煮」,農文協(東京),協力:古谷泰啓・惇子,米澤朋子・美栄子,森川雅恵,川勝晴美,著作委員:坂上愛子,p.24(2017)

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