2024/02/01 コラム
幸せホルモンと栄養
みなさん、最近いろいろなところで「幸せホルモン」という言葉を聞きませんか?
「幸せホルモン」とは、やる気を出させる「ドーパミン」、心のバランスを整え幸せな気持ちにする「セロトニン」、パートナーとのスキンシップやペットをなでて愛情があふれている時に分泌されているという「オキシトシン」の3つの脳内物質のことです。
これら3つの物質は、すべてアミノ酸をもとに作られています。
アミノ酸とは、タンパク質を構成する最小の単位です。私たちの体は、20種類のアミノ酸が組み合わさって構成されています。
アミノ酸は体内で合成できるものもありますが、体内で合成できず食品から摂らないといけないものもあります(不可欠アミノ酸または必須アミノ酸といいます)。
幸せホルモンの材料となるアミノ酸にはどのようなものがあり、またそのアミノ酸はどんな食品に含まれているでしょうか?
ドーパミンはチロシンというアミノ酸をもとにして合成されます。
チロシンはチーズや納豆、ナッツ類に多く含まれています。
またチロシンは、フェニルアラニンという不可欠アミノ酸からも合成され、フェニルアラニンは豆類やナッツ類に多く含まれます。
セロトニンはトリプトファンという不可欠アミノ酸から合成されます。
トリプトファンは豆腐や納豆などの大豆製品、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、赤身の魚、バナナなどに多く含まれています。
オキシトシンは、9つのアミノ酸から合成されるペプチドホルモンです(ペプチドとはアミノ酸が複数つながったものです)。
9つのアミノ酸の中で不可欠アミノ酸は2種類あります。
そのうちの一つのイソロイシンは鶏肉や鮭、牛乳に多く含まれ、もうひとつのロイシンはレバーや鯵、鮭、乳製品に多く含まれます。
幸せホルモンをたくさん作るには大豆製品や乳製品、魚などをたくさん食べるとよさそうですね。
しかし、だからといって偏った食生活はよくありません。食生活のバランスが崩れると体内環境が乱れてしまいます。
体内環境を健康に保つためには、穀類や野菜類もしっかり食べないといけません。
そうでないと、せっかく幸せホルモンを合成してもうまく分泌できないようになってしまいます。
食物をバランスよく摂取して、幸せホルモンをたっぷり分泌して、体も心も、健やかに幸せになりましょう。