2023/08/01 コラム
調味料にまつわる興味深い英語表現をご紹介します―コショウと塩
調理をする上で欠かすことができないのが、塩、砂糖などの調味料ではないでしょうか?
それらは、料理の「隠し味」としての重要な役割を果たしています。
今回は、コショウと塩について取り上げ、英語のユニークな表現をご紹介したいと思います。
〈コショウ〉
この調味料は、2023年の3月に開催され、日本中を感動の渦に巻き込んだWBC(World Baseball Classic)での「ペッパーミル(pepper mill)・パフォーマンス」で注目されました。
このペッパーミルは、両手で上下に握ってぐるぐる回しながら、コショウを挽くための道具です。
最近(WBCの後)、デパートの家庭用品売り場などで、この調理器具を目にする機会が増えたような気がするのは、このコラムの筆者だけではないような気がします。
コショウは、香りが大切なので、食べる前に挽いて味わうと良いそうです。
話が少し逸れましたが、英語でもコショウに関する表現(イディオム)があります。
英語で“pepper”は、人に非難などを浴びせるなどの意外な意味があります。
例えば
・be peppered with shot: 浴びせる ・pepper (動詞):ふりかける
などです。
そして、いかにもコショウらしい表現もあります。
・Pepper bites the tongue.: コショウは舌にぴりりとくる(‘bite’ には、「コショウが舌などを刺激する」という意味があります)。
・pepper and salt: 霜降りの服地
・pepper and salt hair: 白髪交じりの髪の毛
“salt”については、さらに見ていきましょう。
〈塩〉
塩と言えば、健康志向が強い現代では、あまり良いイメージがない調味料なのかもしれませんが、調理をする際には、適材適所で活躍してくれます。
加熱調理をする前に、「ふり塩」をすることがあります。
また、「化粧塩」と言って、魚の姿焼きをするときにも、塩が使われます。
また、調理とは離れますが、けがれを清めるのにも使われます。
さて、この塩に関する英語の表現がいくつかあります。
日本人が大好きな、「漬物」は、“salted pickles”となります。
まさにそのとおりですね。
ほかにも、ご紹介します。
・above (below) the salt: 上座に(下座に)
・earn one’s salt: 熱心に働く
・salt away: 密かに貯える(特にお金)
・worth one’s salt: 給料だけの働きがある
昔は、給料として、労働の代価として塩で支払っていたから。
昔の塩は、お金に代わる貴重なものだったことが伺えます。
・eat a person’s salt: (人の)世話になる、歓待を受け入れる
このように、コショウも塩も、私たちの食卓には欠かせない主役級の調味料です。
まさに小粒ながらも、調理の際には大きな役目を果してくれます。
使用量に気を付けながら、これらの調味料を堪能し、食の醍醐味を味わってみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
『食べ物で知る英語表現百科』鶴岡公幸、牛原琴愛 共著、ギャリー・マームグレン 監修、217-220頁。