2025/08/01 コラム
熱中症について
近年、本格的な夏が始まる前から日本では気温が30度以上の真夏日となり、7月からは最高気温が35度以上の猛暑日が続くことがあります。
暑さが増すと、ヒトの体内の水分や塩分が放出されることにより、体内のバランスが崩れ、体温調節がうまくできなくなります。
そのために体内に熱がこもって身体にさまざまな症状が現れる状態を熱中症といいます。
熱中症は3つの要因によって生じます。
1つ目は「環境」で、気温や湿度が高い、風があまり吹かないなどです。
屋内でも窓を閉め切った状態や、エアコンを使用しないことが要因となります。 人を取り巻くさまざまな環境要因が影響します。
2つ目は「からだ」です。下痢や寝不足などの体調不良では暑さに対応することができません。
高齢者は、気温や湿度の上昇に気づかず、熱中症にかかりやすくなります。
また、こどもは大人よりも周囲の環境の影響を受けやすいため、注意が必要です。
3つ目は「行動」です。
炎天下での運動や長時間の屋外作業は熱中症になるリスクが高まります。水分が補給できない状態も危険です。
これらの3つの要因が組み合わさると、熱中症が起こりやすくなります。
熱中症は重症度によってヒトの身体にあらわれる症状が異なります。
軽度ではめまい、立ちくらみ、こむら返りなど、中等度では頭痛、吐き気、倦怠感などが起こります。
重症化するとけいれんが起こり、死に至る場合もあります。
熱中症による死亡者数は、2024年6~9月では2,033人でした。
また、熱中症により救急車で医療機関に運ばれた人は、2024年5 ~9月には97,578人と過去最高となりました。
熱中症を予防するために提案された指標が暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)です。
気温・湿度・輻射熱の3つを用いて算出します。
輻射熱とは地面や建物などから出ている熱のことです。
暑さ指数が28以上になると「厳重警戒」、31以上では「危険」とされています(下図)。
熱中症の危険性が高まると予測されると環境省から「熱中症警戒アラート」が発表されます。
国民に注意を呼び掛けるための情報で、暑さ指数が33以上になることが予測される場合に発表されます。
暑さ指数35以上になると予測されると「熱中症特別警戒アラート」が発表され、さらなる警戒が必要となります。
暑さ指数や熱中症警戒アラートなどの情報は環境省の「熱中症予防情報サイト」のほか、メール配信サービスも実施されています。
熱中症予防の一環として活用してみてはいかがでしょうか。
(環境省熱中症予防情報サイト:https://www.wbgt.env.go.jp )
熱中症は、誰でもかかる可能性があります。
屋内外問わず、どこでも起こります。
適切なエアコンの使用や、こまめに水分補給するなど、対策をとることで予防することができます。
暑さに負けないためには、健康なからだづくりが大切です。
栄養バランスを考えた食事をとること、十分な睡眠を心がけましょう。
【参考文献】
・日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン 2024」 https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf
・総務省「令和6年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」 https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r6/heatstroke_nenpou_r6.pdf ・日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」Ver.4 https://seikishou.jp/cms/wp-content/uploads/20220523-v4.pdf
・環境省「熱中症予防情報サイト」 https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php