パン作りの材料について

2024/12/01 コラム

パン作りの材料について

 今回は、パン作りに必要な材料について紹介します。

製パンの材料は家づくりに例えると、家の土台であると表現されることがあります。

適切かつ適量の材料を選ぶことは、おいしいパンを作るためにはとても大切です。

材料さえしっかりしていれば、一定の品質のパンを焼き上げるとも言えます。

 

【パン酵母】  

パン生地が膨らむ理由は、パン酵母により発酵が行われることで、生地が膨張するためです。

ベーキングパウダーなどの合成膨張剤によって発生した炭酸ガスにより膨らむパウンドケーキや、卵が抱き込んだ空気によって膨らむスポンジケーキとは膨らむ要因が異なります。

 

【小麦粉】

良い小麦粉の条件の1つに、たんぱく質が良質で小麦粉に含まれるたんぱく質量が多いことが挙げられます。

パン作りには薄力粉ではなく、たんぱく質が含まれている量がより多い強力粉を使用します。

ミキシング工程で、グルテニンとグリアジンというたんぱく質が水と一緒に混ざり合うことでグルテンを形成します。

グルテンをより多く形成することで発酵過程で発生したガスをパン生地の中で細かく包み込み、おいしそうにふくらんだパンを作ることができます。

 

 

 

 

【イーストフード】

イースト(酵母)の栄養源として、パン作りに使われる食品添加物のことです。

食品衛生法で定められた酸化剤や酵素剤とともに用いられます。

発酵促進や風味や味を良くすることに貢献するイーストフードですが、家庭内でパン作りをするときには、使用しないことが多いです。

 

【砂糖】  

パン酵母を添加したパン生地に砂糖を入れることで、発酵が促進されます。

砂糖はパン酵母の栄養源となり、発酵によって砂糖は炭酸ガスやアルコールに分解されます。

炭酸ガスは生地を膨張させ、パンの容積を大きくすることに役立ちます。

また、アルコールはグルテンを軟らかくすることや香りを良くすることに貢献します。

 

【食塩】  

食塩はパンに塩味を加えておいしさを良くすること以外にも、パン生地の軟らかさの調整や発酵の邪魔をする物質の生成を抑えること、発酵速度の調整、雑菌繁殖の防止などパン作りにおいてたくさんの役割があります。

食パンの場合は強力粉の重量の約2%の食塩を用います。

 

【油脂】  パン生地に油脂を添加することで、油脂独特の味、香り、風味や食感の改善に役立ちます。

またパン生地の伸展性を良くすることでガスをパン生地の中で保ち、パンの容積を大きくする効果が得られます。

さらに、パンに含まれる水分が蒸発することを防ぎ、品質を保つことにも貢献しています。

 

 

 

 

今回はパン作りの材料の紹介をしましたが、福祉栄養学科では製パンを通じて、食や栄養に関する幅広い知識や技術を身につける教育を行っています。

『ふっかの健康食ラボラトリー』のホームページを通じて学生さんの活動を随時紹介しますね。

 

 

 

○参考文献

竹谷光司.新しい製パンの基礎知識(再改訂版) NEW BAKING GUIDE,31版.東京,(株)パンニュース社.2017.

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