できていますか?“もしも”のための食糧備蓄

2023/06/10 コラム

できていますか?“もしも”のための食糧備蓄

地震、台風、集中豪雨、大雪、火山噴火…。自然災害はいつ起こるか、だれにも予想できません。

災害時には、流通が止まったり、電気、ガス、水道が止まったりすると、日常の食事ができなくなってしまいます。

そのような“もしも”の時のための食糧備蓄について考えてみましょう。

 

大前提として、“もしも”の時に一番大切なのは「命を守ること」です。

そして、その命を守り続けるためには、水と食料が必要です。

水は一人あたり3リットルを3日分、食料は一人あたり3日分の備蓄が勧められていますが1)、地域や災害規模によっては、救援が来るまでの期間が長引くことが考えられます。

可能であれば7日分の備えをしておきましょう。

 

次に、備蓄するにあたって、3つのポイントを紹介します。

①日常備蓄

普段食べているものを少し多めに買っておき、食べた分を買い足して保存しておくことを日常備蓄といいます。

補充する→蓄える→食べる→補充する…と、食品を回転させながらストックするので、ローリングストックともいわれています。

普段から食べているものをストックしておくことで、災害時にも普段に近い食事をとることができますし、自分の好みや家族の嗜好に合わせた食品を備蓄しておくことで、ストレスの多い災害時にも食が進みやすくなります。

また、不足しがちなビタミンがとれる野菜スープや野菜ジュース、ほっと心を落ち着かせるための菓子類なども備蓄しておくとよいでしょう2)。

 

 

 

 

②分散備蓄  

家庭で水や食料を備蓄する時には、全てを一か所にまとめるのではなく、数日分ずつ分散して備蓄しておきます。

災害時は、棚が倒れてきたり、水に浸かってしまったりすることが考えられます。

分散しておくことで、全ての備蓄がダメになってしまうことを防ぐことができます。

キッチンだけでなく、玄関の靴箱、クローゼットや押し入れなど、家の中のスペースを見つけて分散備蓄をしておきましょう。

 

③個別対応備蓄  

家族の年齢や体質に合わせた個別対応備蓄も忘れてはいけません。

例えば、食物アレルギーのある方の場合、避難所での救援物資を食べることができない、ようなことも起こるかもしれません。

ミルクや離乳食が必要な時期、固いものが食べられない、食事について何かしらの制限があるなど、年齢や体質によって個々に必要な対応は様々です。

アレルギー対応食やレトルトのおかゆ、制限食用のアルファ化米など、必要に応じた備蓄をしておきましょう。  

 

あわせて、災害時の調理に役立つ道具を紹介します。

大切なのは、水やガスの使用を最小限にし、かつ衛生的であることです。

ガスが止まっても使用できるカセットコンロとガスボンベ、お皿にかぶせれば汚さずに食事ができるラップ、手袋の代わりになるポリ袋、フライパンに敷いて使えば汚れないアルミホイル、汚れを拭き取れる新聞紙やペーパーなど、災害時に便利な道具も食料と一緒に備蓄しておきましょう。

 

 

  

 

最後になりましたが、これまでに起きた大地震や自然災害等で被災された皆様方へ、心よりお見舞い申し上げます。

 

 

 

1)農林水産省:災害時に備えた食品ストックガイド(平成31年3月)

2)今泉マユ子.親子で学ぶ防災教室 災害食がわかる本.理論社(2019)

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