お酒のつくり方

2020/02/01 コラム

お酒のつくり方

わたしたちが普段口にするお酒は、一般に、醸造酒、蒸留酒、混成酒に分類することができます。

 

醸造酒はアルコール発酵ののちそのまま飲むもの(ワイン、ビール、清酒など)、蒸留酒は発酵によりできた液分を蒸留して飲むもの(ブランデー、ウイスキー、焼酎など)、混成酒は醸造酒や蒸留酒に薬草・果実・香料などをくわえて短期熟成させたもの(リキュール、梅酒など)です。

 

このコラムでは、この中でももっともたくさん飲まれている醸造酒についてお話ししたいと思います。

 

わたしたちにはワイン、ビール、清酒がとくになじみ深いものですが、これらは製造法によって複発酵酒と単発酵酒に分類することができます。お酒の中のアルコールは「発酵」作用でつくられるのですが、ビールや清酒の原料となる麦やコメには、発酵に必要な糖類が含まれていないので、アルコール発酵の前段階ででんぷんを糖類に分解する準備(「糖化」)が必要になります。このような製造法を「糖化」→「発酵」の2段階プロセスであることから複発酵式製造法といい、つくられるお酒を複発酵酒といいます。他方、ぶどうはもともと糖類を含んでいますから単一工程(「発酵」)でつくることが可能で単発酵式製造法(これによってつくられたお酒は単発酵酒)といいます。

 

もう少し詳しくみていきましょう。ビールと清酒は麦とコメという穀類を主原料とする点で共通し、ともに複発酵酒なのですが、製造法には違いがみられます。ビールは「糖化」と「発酵」を分離して行うのに対して(多くのケースで別の場所(タンク)にホースとポンプで移動してから作業が行われます)、清酒は「糖化」と「発酵」が同じ場所で同時進行します。前者を単行複発酵式製造法、後者を並行複発酵式製造法といいます。一見両者の違いは複雑ですが製造現場の違いは一目瞭然です。工場の中に2つの大きなタンクがあればビール工場、1つしかなければ清酒工場なのですから。

 

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