大阪の伝統の食②「八尾えだまめ」

2020/08/01 コラム

大阪の伝統の食②「八尾えだまめ」

枝豆は大豆を未成熟のうちに収穫したもので、枝付きのまま茹でたことから「枝豆」といいます。

 

枝豆(大豆)は中国が原産地と考えられていて、日本へは大陸から渡来し、縄文時代の遺跡から出土しています。

日本中で栽培しており、主な産地は千葉県、山形県、新潟県、埼玉県、群馬県など1)ですが八尾市は近畿でも有数の枝豆の産地で、大阪府下生産量の7割を占めています。

現在では枝豆専用の品種が400品種以上あり、種皮やさやのうぶ毛の色の違いから「白毛豆(青豆)」「茶豆」「黒豆」と大きく3種類に区別されます。八尾の枝豆は白毛豆です。

 

全国各地には在来品種(地場品種)と呼ばれる、特定の地域で昔から栽培されてきた枝豆があります。

栽培地域が限られているため出荷数量も少なく希少価値の高い枝豆で、兵庫県丹波地方の「丹波篠山黒大豆」、山形県鶴岡市の「だだちゃ豆」、大阪府八尾市の「八尾えだまめ」などがあり、近年ブランド枝豆として全国へ出回るようになりました。

 

 

「八尾えだまめ」は、大きく張った実とたっぷりの甘みが特徴です。

枝豆は鮮度が大切で、味の決め手であるアミノ酸と糖分は、枝から外してわずか2日で半減してしまいます。

八尾市は大阪市に隣接しているため完熟ぎりぎりに収穫し、新鮮な状態で出荷することができます。

 

栽培はハウス栽培と露地へ種まきするものの2シーズンに分けて、6~8月中旬頃まで出荷できるように工夫しています。

八尾市は周辺に住宅地も多く、生産者たちは農薬や化学肥料の使用に気を遣い、味や品質の高い枝豆を一番おいしい時期を見極めて収穫するため、卸売市場からも高い評価を得ています。

 

 

 

【良い枝豆の見分け方 】

①緑色が鮮やかで濃いもの

②さやの表面のうぶ毛が十分についているもの

③さやがよくふくらんで密集しているもの

④枝付きのものは、葉や茎の変色がなくみずみずしいもの

⑤枝と枝の間隔が短く、さやが密集しているもの

 

 

【枝豆の美味しいゆで方 】

①枝豆(300g)を洗い、さやの両端を料理バサミで切り落とす。

 (味が染み込みやすくなる)

②塩(20g)を振り、よくもむ。

 (うぶ毛が取れ、ゆであがりの色がきれいになる)

③鍋に水(1ℓ)を沸騰させ、塩(20g)を加え、①の枝豆を入れて3~5分ゆでる。

 (豆の大きさに応じる。5分以上ゆでるとうま味成分であるアミノ酸が流出しやすくなる。食べてみて少し固いと感じる程度でザルにあげる。)

④うちわで扇いで手早く冷ます。

 (氷水につけると水っぽくなるので避ける。好みで塩を振っても良い。)

 

 

【参考文献】 1)農林水産省,日本の大豆と豆,https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1606/spe1_02.html,枝豆は「作物統計」

2)地域食材大百科 第2巻野菜,農文協編,(東京),2010.5.15(第1刷),pp.30-35

3)大阪府,えだまめ,http://www.pref.osaka.lg.jp/chubunm/chubu_nm/fq-mame.html

4)八尾市,えだまめのご紹介,https://www.city.yao.osaka.jp/0000002056.html

5)えだまめ日和,http://www.edamamebiyori.com/brand/yaoedamame.html

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