コロナ禍での健康維持について

2021/06/01 コラム

コロナ禍での健康維持について

2019年末、中国に端を発したと考えられる新型コロナウィルス感染症は、日本はもとより世界中の国々で猛威をふるっている。

我が国でも、ワクチン接種が着実に行われ、感染症の収束を待ち望む日々である。

その様な中、人々の健康への関心が、これまで以上に高まっている。

 

コロナ禍で心身ともに健康であるためには、いくつかの点で特徴がある。

感染症の予防には、感染者との接触を防ぐ必要があるため、多くの場面で、人々の交流が制限された。

在宅勤務やオンライン授業などが行われ、仕事や学業でコンピューターやスマホなどの画面を見入ることが多くなった。

座ることも多くなり歩行が減少する事により、姿勢の悪化や筋力低下、それに続く転倒の危険性の増大、運動量が減りエネルギー消費の低下による肥満、更に姿勢の悪化は視力低下にも影響する。

 

     

 

会話などの減少による口・喉の機能低下、高齢者では誤嚥の危険性の増大や、会話が減った事による知的活動の低下も心配である。

コロナウィルスに対する特効薬がない現状では、感染防御に徹することが大切である。しかし、もともと有していた身体や心の機能が減じるようであれば、感染症罹患の危険性も増大する。

そこで、口から喉の機能維持のために進んで行う事としては、音読、歌唱、電話等を用いた会話、食事の際には柔らかい食材ばかりではなく歯ごたえのあるものもよく噛んで食べる事、歯科衛生等が挙げられる。

 

体全体の筋力・バランスを保つ為には、体操、散歩、スポーツなどが望ましい。

 

 

抑うつ的な気持ちになりがちであるが、家族や親しい友人・趣味のつながり等での会話やSNS等での交流も大切である。

体を動かしてみる事や、好きな音楽を聴く事や美しい景色・絵画を見る事でも、心が晴れ晴れとする場合がある。

感染症への配慮を行いながら、孤立することがないよう、他者や社会との交流は可能な範囲で行いたいものである。

 

食べる事は大きな楽しみであるが、肥満に傾く事は避けたい。

カロリーバランスを考える事、多彩な食材を摂る事、空腹を感じる時間を持つ事、腹八分目を目安とする事も大切である。

パンデミックの時代では、免疫に良い食品が求められる。

と言っても、この食品を食べるだけで大丈夫と言う魔法の食品はない。

少なくとも、免疫をつかさどるのは免疫細胞やタンパク質を含んだ成分であるので、タンパク質の適切な摂取は勧められるだろう。

また、人の腸には体全体の免疫細胞の半数以上が存在すると言われている。

そこで、腸内環境を整えるために、乳酸菌やビフィズス菌を含む発酵食品(ヨーグルト、納豆、キムチなど)の摂取や、食物繊維やオリゴ糖を多く含む食品(野菜、海藻、キノコ、豆、果物)の摂取も勧められる。

 

 

また、コロナウィルス感染症の収束が見えない時期、通院などに躊躇を感じることもあるが、持病のある方はきちんと治療を受け、受けるべき検査は受けてもらいたい。

そして、リズムある生活で、適切に食べ、体を動かし、他者との交流も図りながら、この困難な時代を健康に乗り越えていってもらいたい。

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