2021/11/01 コラム
健康増進機能と表示された食品の見分け方
最近、健康増進機能と表示された食品をTVや雑誌の広告、あるいは店頭で見かけることが増えたと思います。
「機能性表示食品」と呼ばれる健康増進機能を食品に表示できる制度が始まってから6年が経過し、いまや4000件を超える食品が食品販売事業者から消費者庁へ登録されています。
コンビニやドラッグストアだけでなく、スーパーにもたくさんの健康増進機能が表示された食品が並ぶようになりました。
この機能性表示食品制度では、生鮮食品にも健康増進機能を表示できるため、「バナナ」や「もやし」といった果物や野菜にも健康増進機能が書かれて販売されています。
かなり身近な制度になっているので、みなさんの印象に残っていると思います。
日本においては、食品に機能性を表示することができる制度は3つあり、特定保健用食品「トクホ」と呼ばれる国が審査し表示を認可した制度、保健機能食品と呼ばれる食品に含有している栄養素が一定の基準を満たすことで栄養素の機能を表示できる制度、そして機能性表示食品制度と呼ばれる、販売事業者が科学的根拠に基づいて、必要な書類を国(消費者庁)へ提出し、販売事業者の責任で表示を行う制度の3つです。
この3つの制度では、いずれも国が示した基準を満たした表示を行っています。
この他にも食品の健康増進機能を表示はしていませんが、有名人の体験談などで健康増進効果があるかのように宣伝する「いわゆる健康食品」と呼ばれる食品もあります。
このいわゆる健康食品は、インターネットの広告などによって宣伝し、ダイエットや免疫力など、美容効果や病気が治療できるような印象を消費者に与えて販売しており、注意が必要です。
消費者庁の発表によると、2021年1月~3月の間だけで101商品の表示に問題があるとして表示の改善要請を出しています。
国の制度に基づき、健康増進効果の書かれた食品が身近になればなるほど、誇大広告や印象操作によって販売する「いわゆる健康食品」も増加すると言われています。
正しく見分けることが重要です。
また、国が認めた食品への健康増進機能表示制度はいずれも、疾病の治癒効果の表示は認めていません。
そのため薬とは全く異なることを認識する必要があります。疾病の治療や予防効果があるような広告をしている食品は、国の制度に基づかない場合がほとんどですので、正しく選択するようにしましょう。